コラム COLUMN

第59回日本脈管学会に参加しました

2018.12.14

10月末に広島で行われた第59回日本脈管学会に参加、発表してきました。
今回、私たちの法人の各クリニックでは、5名の医師が参加発表しております。

理事長は、学会のセミナーの講師も担当し、下肢静脈瘤のレーザー治療についての当院で行なっております最新の術式のお話をし、大いに学会を盛り上げておりました。
その他の先生もレーザー治療での経験などをそれぞれ発表し、私も他施設での経験や、新しい技術、最新のエビデンスについても勉強することができて有意義な時間を過ごせました。
やはり、下肢静脈瘤の治療の主流はレーザー治療であり、術後の長期の成績でみても、以前から行われていたストリッピング手術に比べても遜色ないと思われます。
また、レーザー治療では、さらなる低侵襲な治療ができるように日々研究を重ねております。



村山理事長のランチョンセミナー


私の発表について少しお話させていただきますと、これは、私が大学病院に勤務中に経験した症例です。
元々、下肢静脈瘤が著明にある方で、手術適応があったため下肢静脈瘤のレーザー治療を行いました。術後の経過は良好でしたが、1ヶ月経ってから蜂窩織炎を起こしてしまい、入院が必要になった方です。
入院にて抗生剤加療をいたしましたところ、改善し現在は、元気に過ごされています。
下肢静脈瘤の術後の経過は良好でも、この方は全く別の部分からばい菌が入ってしまい、感染を起こしてしまいました。
もともと、下肢静脈瘤に伴う皮膚炎もひどく、皮膚がかなり弱ってしまっていたのが原因と考えられます。
蜂窩織炎は、虫に刺されたくらいの見た目は全くわからないくらいの小さな傷からも感染したり、かゆくて掻きむしっている間にばい菌が入ってしまい、感染を起こすこともあります。

足のリンパ浮腫などの浮腫を引き起こしている方も要注意です。
むくみがあると言うことは、血液や、リンパ液などが溜まっている事になります。
それに伴って鬱滞性皮膚炎を引き起こしている可能性もあります。

特に、今の冬の時期は乾燥します。乾燥によって、かゆみがあったり、皮膚のバリア機能が失われることで、ばい菌も入りやすくなります。
入浴後に、保湿剤のクリーム等をしっかり塗って保護することが大切です。
下肢静脈瘤を含めて、足にトラブルを抱えている方は特に足のケアをしっかりしていくことが大切です。
かゆみが止まらないなど気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

当院では、下肢のむくみのご相談も積極的に承っております。
気になるけどどこの病院に行っていいかわからない方でも、まずは、足を見せていただいて、一緒に治療法を考えていきましょう。


桜井ポスター発表



村山クリニック 山下先生ポスター発表